メールマガジン

第125回2015.08.26

インタビュー:山形市総務部行革推進課 行政経営係長 後藤 好邦さん(下)

 東北地方の大規模な公務ネットワークを構築した後藤さん。徴税の仕事、老人クラブの担当の間、いろいろな改善を考えたり、新制度の実態を現場に聞きに行ったりする行動派だった。常に「よくしよう」ということが頭にあった。次の異動職場は冬季国体準備室だった。


後藤  当時、私は趣味でスキーのモーグルをやっていました。モーグルも、もしかしたら公開競技で開催されるかもしれないという噂があったので、そのお手伝い、趣味と実益を兼ねられたらいいかなと思って希望させていただいたら、異動が叶ったと。

稲継  叶ったんですね。なるほど。

後藤  ただ、結局、モーグルは開催されなかったという落ちがあったんですけれども。

稲継  そうなんですね。それは、残念でした。冬季国体室というのは、冬季国体の準備をする?

後藤  はい、開催準備です。

稲継  具体的には、どういうことになるんですか?

後藤  競技のお手伝いをするところと、あとは選手の宿泊とか総務系を担当する二つに分かれまして、私は総務の方におりました。主に、宿泊や輸送関係、救護関係を担当させていただきました。

稲継  選手も、それから役員もかなりの数の人がやってきて、泊まる、移動する。量的にも、短期的に集中しますので、その準備をずっと前からやらなきゃならないとか、相当大変なことだったんでしょうね。

後藤  はい、そうですね。宿泊だけ取ってもそうなんですけれども、宿泊だと、そのときには冬の国体だったので、蔵王温泉の方々といろいろとやりとりをしなければいけないですし、あとは、輸送だとバス会社、救護だと医師会などとやりとりしなければいけなくなります。それぞれに、こちらを軽くして、こちらを重くとかできないので、それぞれにきちんとした対応をしなければいけないんですけれども、近くなればなるほど重視すべきポイントが変わっていきます。優先順位をつけながら適切に対応する、そういう大変なところはありました。ただ、最初から丁寧にいろいろとつながりをつくっておくと、最終的にはお任せできる部分が大きくなると思いました。特に宿泊に関しては、ある程度、蔵王温泉の方々と、本番までの間に強いつながりをつくることができましたので、最終的にはある程度の部分をお任せすることができました。こういうルールはあるけれども、最終的にはお任せしますという人間関係ができたかなと。不適切なことまではしないかなと思いました。逆に言うと、先方からすれば「後藤さんに責任を取らせるようなことをしてはいけないな」というところもあったんだと思うんです。そういう人間関係をつくることができたのは大きかったかなと思いますね。

稲継  市の職員は自分でホテルを開くことはできないので、宿泊は旅館業界に頼んだりしなければならない。あるいはバスだったら、バス会社に頼まなければならない。一番重要なのは、会社や旅館やホテルとのつながり、お互い信頼できるかどうかというところ、今、おっしゃったようなつながり、人とのネットワーク、これは後のオフサイドミーティングのネットワークにつながっていくと思うんですけれども、つながりをすごく大事にしておられる。この冬季国体室は、終わると閉じるんですよね。冬季国体は、いつ開かれたんでしたっけ?

後藤  15年......

稲継  平成15年。

後藤  なので、2年限定の。

稲継  2年限定。そうですか。平成16年の異動で動かれたということですか?

後藤  そうですね。

稲継  平成16年の異動では、次はどちらに?

後藤  企画調整課です。

稲継  主にどういう仕事を担当しておられましたか?

後藤  行政評価です。

稲継  当時の行政評価というのは、山形市さんの場合は、どういうシステムでやっておられたんでしょうか?

後藤  外部評価をしながら、全部の事務事業を検証するところが特徴です。

稲継  全事務事業ですか。いくつぐらいありました?

後藤  いろいろ精査しながら、確か700か800ぐらいに整理したと記憶しています。

稲継  700~800。外部評価委員が、全部、見るわけじゃないですよね。そのうちのピックアップしたものだけ?

後藤  いや、全部、見ていきます。

稲継  全部、見るんですか?

後藤  1年目は全部ではなくて、ある程度、絞って。2年目は全部したんですけれども、そこを10人の方に見ていただきました。3年目で外部評価はやめたんですけれども、3年目は2年目に評価が低い事業だけ見ていただくということで、少し緩くしたんですけれども、2年目は、全部、見ていただきましたね。

稲継  そうですか。私も、昔、2~3の自治体の外部評価委員をやったことがありますけれども、相当ピックアップしたものでないと、とても短時間じゃ見られないので、全部と聞いて、今、相当驚きました。

後藤  2人1組でしていただいたんですけれども、多分、1組当たり150~160は見ていただいていると思います。

稲継  そうですか。3年で外部評価を終えて、内部評価に移ったということですか?

後藤  そうですね。

稲継  これは、どういう仕組みで?

後藤  15年から就任した現在の市長の公約の一つとして行政評価の実施がありまして、16年度から新たに導入し、それに伴い人も増えました。この増えた部分で私が入ってきたんです。制度の名称に、市長の思いがありまして、「仕事の検証システム」という名称なんです。それは、自分自身の仕事を自ら検証して、より良くしていく。なので、評価ではなくて、あくまでも検証という言葉を用いていました。そういうこともあって、外部検証と併せて自己検証を3年間やり、ある程度、検証のスキルとか考え方も分かってきたということで、外部評価をやめ、自己検証重視の考え方にシフトしていくことになりました。

稲継  各職員が仕事の検証を、それぞれ自己評価をやってもらう。企画調整課としては全体をオーガナイズして、それを取りまとめる形だと思うのですが、実際にやっておられて何かご苦労だとかはありましたでしょうか?

後藤  今までの事業に対する考え方と事業の質を考えて善し悪しを判断するところが、なかなか理解されない部分もありました。具体的には「議員さんとか上からの指示の方が、優先度が高いのに、きちんとした評価なんかできない」と言われたこともありました。でも、「それを理由にしていると、外部評価で結構厳しく言われてしまいますよ」と説得しながら、きちんとした検証の考え方に沿った形で自己検証してもらうのが、一番苦労した部分ではあります。コンサルさんにも入っていただいたんですけれども、コンサルさんはうちの市の事情はよく分からないので、検証の考え方、行政評価の考え方をお話ししていただく分には何も問題ないんですけれども、生の声が返ってきたときに返すのは、結局はその自治体の担当者になってしまいます。そういった状況の中で、きちんと理解してもらためには、どういうふうに相手に対して伝えたらいいのかなという、伝え方とか聞き方にすごく苦労しましたね。

稲継  企画調整課には何年ぐらいおられたんですか?

後藤  6年いて、その間、改善活動も途中から担当しました。最初はサブ的な担当だったんですけれども、19、20年度と主担当になりまして。さっきお話ししたとおり、若い職員が実行委員会としてやっているのを私がサポートして、その若い人とのつながりが東北OMに移っていく形になるんです。

稲継  なるほど。主に改善をサブ、主担当として続けられたころの、何か思い出に残っていることとかエピソードがありましたら、お聞かせ願えますか?

後藤  改善の活動をずっと担当させていただいて、たまたま山形市で第1回の改善発表会の全国大会をさせていただいたんです。今年3月に開催した新潟県の三条市で9回目になりますが、私は、改善の仕事から離れていた時もずっと自費で参加していましたので、すべての会に参加しております。おそらくフル参加なのは、私と関西学院大学の石原先生のほか、ごくごく少数だと思います。この活動を通して、改善の必要性についてすごく感じることができました。
 改善で何が大切か、結構忘れがちなのは、先ほど先生からもおっしゃっていただいたんですけれども、身近な、本当にぱっと思い付きそうだけれども誰も思い付かない、結局、最初にやった人が大事だったんだなと後で気付く、そういった改善がすごく大事だなと思っていて、そういう改善をした職員を評価できるような場をつくりたいなと。そういう身近な改善の方が、その後の波及性がすごく大きい。ちなみに、山形市の改善で一番波及した事例をご紹介しますと、観光物産課でポスターをいろいろもらうわけですけれども、裏は白紙なんですよ。

稲継  そうですね。

後藤  それを保育園に持っていって、園児のお絵描き用に。山形弁で、子どもが描いたりするのを「にょにょ描き」と言うんですけれども「にょにょペーパー」という名前を付けて、保育園に持っていってもらって。あとは、それが書き終わったら切ってかぶとをつくって、みんなでかぶったり。そういう使い方をしたんです。それを発表会で発表したところ、ほかの課でも余っているポスターがいっぱいあるから、これを持っていってもらったらいいのではないかという話があって波及していったわけなんです。
 一見すると、「そんなの」って言われそうな改善でもあるんですけれども、「そんなの」ということを実践し、その情報が共有化されて、検証されて、ほかの課がまねをして、改善の意識が広がっていくのではないかと感じます。こうしたことが、改善の担当をさせていただいて勉強したところです。

稲継  今までは廃品回収に回していたようなものが、子どもにとってはすごく大事なというか、丈夫な紙でできたキャンパスになるんですね。今までは画用紙だったのが、こんなでかいところに描けるのかって、幼稚園児は喜びますよね。コロンブスの卵的な発想ですね。

後藤  改善発表会は楽しい雰囲気の中で発表してもらい、そのなかで褒められて、これにより職員のモチベーションが上がります。この活動を通して褒める文化と楽しむ文化の二つが組織の中では必要だと感じました。それは役所に限ったことでなくて、どのような組織でも大事だなと。改善の活動に携わらせてもらってすごく感じる部分ですね。
 褒めるということに関して、一つのエピソードがあります。若い職員と一緒に活動していく中で、「この活動の中に部長の役割があまりないね」という声がありました。発表するのは課レベルでしたので、課長はその中で携わるわけですけれども、「部長の役割はないね」と。「部長は首長と職員をつなぐつなぎ役で、大切な役割なのに、ただ発表会を見に来てもらっているだけでは面白くないね」と、ある職員が言いました。そこで、部長に発表会の中で何か役割を持ってもらおうということになり、顕彰する、職員を褒める役割と、事例を選ぶ選考者の役割の二つを担ってもらおうということで、部対抗形式にしたんです。部長が責任をもって発表事例を選んでもらい、選んだからには応援してもらう。そのため、応援メッセージという形で事前にビデオ撮りをして、発表する前に必ず流す。そのビデオ撮影のときに、実行委員が部長のもとに行き、部長のポケットマネーから賞金を準備するためのお金を集めさせていただいて、そのお金で1位、2位には賞金、すべての事例にコーヒーセットをプレゼントしたんです。そのコーヒーセットの箱をぱかっと開けると、そこに協力してくださった部長たちの顔が描いてあるんです。「これは、部長の気持ちです」と分かるような仕掛けを施しました。さらに、もう一つの仕掛けとして、部長から「ご苦労さま」とか「発表、良かったよ」という言葉を必ず添えて、そのコーヒーセットを渡してくださいとお願いしたんです。そうしたら、発表者のアンケートの中で一番うれしかったのは「普段、接することがない部長から褒められた」とか、若い職員の中には、部長ってこの人だったんだって、顔も分からない、というような職員もいて、そんな彼らが「その人からすごく褒められたので、すごくモチベーションが上がりました」というアンケートなどもありました。
 給料も上がらないし、なかなか異動の希望も叶わない、そのような状況のなかで、上司からの一言が職員のモチベーションにすごく貢献するんだということも、併せて改善の活動の中で勉強させていただいたことです。

稲継  6年間、企画調整課におられたということですと、次は平成22年の異動ですよね。次はどういう職場ですか?

後藤  都市政策課というところで、開発許可の仕事をしていました。

稲継  そうですか。これは、どれぐらいの期間おられたのですか?

後藤  3年間。

稲継  3年、平成25年までおられた。開発許可の仕事の中で、そこは割と技術系の人が多い職場になるのですか。許認可だから、事務系の人もそこそこいらっしゃるんですか?

後藤  事務系の方が多かったですけれども、技術職もいました。ただ、技術的な基準と、もう一つの立地的な基準と、二つ審査しなければいけなかったんです。事務系の職員もある程度技術的な基準を覚えて許可を出すというのが山形市の仕組みだったので、土木技師や建築技師の持ち得ている知識を、ある程度、勉強しなければいけないというのが一番大変でした。

稲継  それは大変ですね。そうですか。後藤さんは大学は、文系ですよね。

後藤  文系です。

稲継  理系のことを勉強し直さなきゃならないのは結構大変だったでしょうが、自分の仕事にも生きるということですね。

後藤  そうですね。土木技師でないと分からない専門的な部分までは求められませんでしたが、それでも例えばこういう基準のときには道路は幅員何mでなくてはいけないとか、そういったことぐらいまでは、ある程度覚えなければならなかった。本当に分からない部分は、土木技師に聞いたところもあるんですけれども。ただ、その部署にいかないと「道路って、こういうふうにできていたんだな」とか「こういう基準で、町ってできていたんだな」なんていうのは分からなかったので、それはすごくいい経験だったかなと思います。

稲継  なるほど。このときに経験されたことで、何かエピソードみたいなものがもしありましたら。

後藤  本当は、私は許認可とか行きたくなくて。希望していたわけでもなかったので、最初はモチベーションがすごく落ちていたんです。ただ、相談に来る業者さんというのは、われわれが仮に3年しかいなくても、その業者さんは何十年もそこの窓口にしかいないわけなんです。だから、我々職員以上に分かっていることが多く、適切に指導してくれる職員を指名してくるんです。こういった状況から、ここできちんとした仕事をしているか、していないかは、指名してくれる業者さんが何人いるかなんだなということを徐々に感じました。1年目は、さすがに指名してくれる人はいなかったんですけれども、2年目ぐらいから徐々に「後藤さん」って呼んでくれる人がいて、最後には、異動が決まったときに、おそらく歴代の人に言っているんだとは思うんですけれども「後藤さんが異動すると、相談する人がいなくなって困る」と言われたんです。やはり、そういう一言ってうれしいじゃないですか。

稲継  そうですね。

後藤  もしかしたら、ここ5、6年の間では、仕事の中で一番うれしかったことかもしれません。そういうふうに言っていただくためにはどうしたらいいのかなと工夫したときに、窓口の対応は、多分、どこでも一緒だと思うんですけれども、1を聞かれて1だけ返すのではなくて、1を聞く裏側に彼は何を思っているのかを意識しながら相談を受ける。許認可なので、どうしてもノーと言わなければいけないことがあるんですけれども、ノーと言ったときでもきちんと納得して帰っていただく。イエスという答えであれば、こちらが何も言わなくても納得して帰るとは思うんですけれども、すべての対応で、いかにして納得してもらえるような接し方をするかが大事なのではないかなと思いました。それは、勉強させていただいたかなと思います。

稲継  なるほど。ありがとうございます。3年おられたということは、平成25年に次に異動ですね。行革推進課ですか?

後藤  行革推進課。

稲継  これは文字どおり、行革推進をされる仕事と考えていいんですか?

後藤  そうですね。でも、最近、何でも屋になっています。今まで担当してきたことで言えば、行革プランの進行管理とか、新しいプランの策定。あとは、電子決裁の導入や改善活動。改善活動は、以前、企画調整課と行革推進課の二本立てでやっていたんですけれども、今は行革に一本化になって、たまたま私は、また改善の仕事をしていると。あとは、昨年度だと、中核市移行の検討とか。今年は、本格的に中核市推進室が立ち上がったので、そちらの方に事務は移管しましたけれども、そういった仕事をこれまで2年間してきています。

稲継  なるほど。地方自治体における行革というのは、集中改革プランでかなり絞って、絞りきれないほどの雑巾になっているのをさらに推進するって、なかなか難しいことだと思うんですけれども、現在、どういう方向で取り組みを進めておられるんでしょうか?

後藤  去年までは第4次の行革プランということで、目玉が時間外勤務の削減だったんです。時間外勤務の削減だけを頭に取り組んでしまいますと、職員のモチベーションに悪い影響を与えるところがあると思うんです。なるべくそういうところがないように取り組んできたつもりなんですけれども、新しい制度、例えばノー残業デーを設けたり、あとは時差出勤の制度を導入したり、そういう取り組みをしてきたんですけれども、なかなか難しかったかなとは思いますね。
 あくまでも私見ですが、これからの行革は、先生のお話に出てきた集中改革プランのときの削減型ではなくて、ある程度、無駄をなくしていくことは継続的に続けていく必要はあるとは思うんですけれども、一つの行革の大切な考え方の中にES、従業員満足度の考え方を入れていかないと駄目だろうなと思います。お金も絞って、人も絞っていく中で、質を上げていくとすれば、職員一人一人の市民への接し方とかに現われてくる部分なのかなと。あとは、いい政策を考えるとか。良い政策を考えるためには職員の満足度を高めていかないと、そういうところが達成できないのではないかということで、そのあたりを意識した行革がこれから必要になってくると思いますし、そういう行革をしていきたいなと個人的には思っているところです。

稲継  なるほど。employee satisfactionで言うと、給料を上げるのは今の時代はほとんどできないので、どういう形で満足度を上げることが可能なのでしょうね。

後藤  そうですね。意外と身近なところかなとは思ったりして、それが改善のところの、部長から褒められてモチベーションを上げて......

稲継  これは、すごく大きな話ですね。

後藤  そういう職員間の距離を近づけるような工夫とか、あとはモチベーションが上がるような研修体制をつくるとか、人づくりの部分なのかなと。その中で、給料を上げるとか評価制度をきちんとする部分とは違った部分で、人のモチベーションを上げる仕掛けを何かしら考えて。私の担当で言えば、改善を使って何かできないかなとは考えています。
 必ずしも、成功しているとは言えないんですけれども、今、若い職員を集めて、カイゼンサポーターを募集しているんです。その中で、自分の業務以外の、例えば窓口担当者でない人に窓口を考えてもらうとか、担当業務以外の部分で成果の可視化を行い、達成感を感じてあげさせたいなと思っています。自分の仕事のなかで、自分の成果がなかなか見えない部分があるんですけれども、これができたでしょというような、やればできるんだというところをなんとか見せてあげられるような仕掛けを、改善活動を使いながらやっていきたいなと。それを個人でできる行革の中のESの取り組みだと思ってやっていきたいなと、今、すごく思っています。

稲継  なるほど。ありがとうございます。今日は、いい話をたくさん聞かせていただきました。このメルマガは、全国の自治体職員の方々に多く読んでいただいているんですけれども、その方々に向けて、最後に何か一言頂けたらなと思います。

後藤  最近、東北OMの活動をしてから、いろいろなところでお話をさせていただく機会があります。そういった機会に、特に若い職員さん相手にプレゼンさせていただくときに、最後によく話すことなんですけれども、職員のモチベーションを上げる一番の要素というのは、身近な先輩がすごく生き生きしている姿なんだと思うんです。「私が考える公務員の魅力というのは、官民両方で公に資する人財になれるところ」とよくお話をさせていただきます。それは、仕事としてまちのために貢献することは当たり前ですけれども、仕事以外の時間を利用することによって、民の立場でも公に資する人財になれるからです。私自身、地域の中に入って酒造りの活動もさせていただいているので、そういうふうに感じるのかもしれません。仕事も一生懸命だけれども、プライベートも一生懸命。もし、そのときに、仕事をおろそかにしている先輩だと良くは見えないんでしょうけれども「仕事もきっちりしながら休みの日までそういう活動をしている先輩って、すごいな。そういうふうになりたいな。」と思ってもらえるような職員になりたい、そう私自身思っています。
 自分がなりたい、あるいは、あるべき姿の公務員を自分でしっかり実践して、その姿を後輩とか部下に見せて、彼らのモチベーションを上げてあげたい。みなさんも、何か目指すところがあって公務員になっていらっしゃると思うので、自分の目指す公務員像をしっかり後輩たちに見せながら、後輩たちのモチベーションを上げるような仕掛けをすることによって、役所全体のモチベーションが上がっていくのかなと。役所のせいとか、上司のせいとか、首長のせいにしても何も始まらない。一人ひとりがそういう努力をすることによって、それぞれの役所がすごく良くなるのかなと思います。ですから、そういう公務員が増えていくように、みんなで頑張りましょうということを皆さんにお伝えしたいなと思います。

稲継  ありがとうございました。今日は、山形市にお邪魔して、後藤さんにお話をお伺いしました。どうもありがとうございました。

後藤  ありがとうございました。


 「公務員の魅力というのは、官民両方で公に資する人財になれるところ」「自分がなりたい、あるいは、あるべき姿の公務員を自分でしっかり実践して、その姿を後輩とか部下に見せて、彼らのモチベーションを上げてあげたい。」・・・そう語る後藤さんのさわやかな笑顔が印象的だった。
 これからも東北地方の、いや日本全体の公務員ネットワークを引っ張っていってくださるに違いない。