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第96回2015.03.25

子育てと多文化共生

多文化共生子育てフォーラム「現役ママが提唱する多様性の輝くまちづくり」が2月28日に明治大学中野キャンパスで開かれました。明治大学国際日本学研究科の学生2名が中心となったNPO多文化共生子育て情報局(イクリス)と私の研究室の共催によるイベントでした。

様々な文化背景をもつ人々が、安心して、出産・子育てのできる地域づくりをテーマにした集まりで、学生スタッフもあわせると50人ほどが参加しました。助産師や臨床心理士、教育カウンセラーなどの専門家や自治体や国際交流協会の関係者など、多様な分野の人々が参加し、その中には広島県や宮城県など遠方からの参加者も含まれました。

フォーラムの第一部では、イクリス・メンバーの安藤陽子さん,菊地真弓さん,吉田千春さん、ゴロウィナ・クセーニャさん(ロシア出身)が、新宿区、世田谷区、千葉県市川市における取組事例や日本人と結婚したロシア人女性の報告を行いました。市川市の報告では、同市男女共同参画課職員の須志原みゆきさんも加わりました。

第二部では、リラックスした雰囲気の中で、少人数のグループで自由な対話を行うワールドカフェ形式で、外国人住民が安心して、出産・子育てできる地域社会について、参加者全員で話し合いました。

今回の報告や討論の中では、子育て支援と外国人支援をつなぐネットワークづくりが重要なこと、学習者・相談者と支援者だけでなく、「ママ友」「パパ友」という関係性が地域における多文化共生をより豊かにすること、出産・子育てを通じたマイノリティとしての気づきが多様性を生かしたまちづくりにつながることなどの指摘が参加者の共感を得ました。

多文化共生に関するシンポジウムやフォーラムなどは、全国各地で開催されていますが、出産や乳幼児期の子育てに焦点を絞ったものは珍しく、特に今回の主催者は、みな1、2歳の子を持つ母親で、育児に追われる中で時間をつくって、フォーラムの企画や準備をしましたが、多文化共生関係者と子育て関係者が顔をあわせて、ネットワークをひろげる貴重な機会となりました。