メールマガジン

第71回2013.02.27

インターカルチュラル・シティーズ・マイルストーン・イベント

2013年2月上旬に、3日間の日程で、欧州評議会と欧州委員会のイニシアティブによって2008年にスタートしたインターカルチュラル・シティーズ(ICC)プログラムにとって「マイルストーン(節目)」となる、過去最大の会議が「多様性を生かす都市」をテーマにアイルランドの首都ダブリン市で開催されました。この会議には、欧州の自治体関係者を中心に、43カ国、100を超える都市から約200名が集まりました。

 会議の初日は、アイルランド法務大臣等関係者による挨拶の後、「インターカルチュラル・シティ」の著者であるフィル・ウッド氏による基調講演と各都市の副市長(市議会議員)らによるインターカルチュラル戦略の報告が4つの分科会に分かれて行われました。

 二日目は、コペンハーゲン市の統合・雇用委員会のニール・ブルーム氏による基調報告の後、午前と午後にそれぞれ4つの分科会が開かれました。テーマは、芸術と文化、地域の安全、ビジネス、ガバナンス、公共空間、メディア、都市計画、都市ネットワークでした。

 最終日は、ダイバーシティ・アドバンテージ、ICCを評価する指標、市民参加をテーマにした報告と、多様性を推進する企業、メディア、NGO関係者によるパネル討論の後、ダブリン市長による最終ステートメントの発表、会議参加者のインタビューをまとめたビデオの上映そして多様な文化背景を有するアイルランドの子どもたちの合唱で幕を閉じました。なお、会議中には、参加者によって、ツイッター(#DublinICC)による会議内容の積極的な発信もありました。

 昨年4月からヨーロッパに滞在する私にとって、最後のICCセミナーとなりましたが、多様性への独特なアプローチをとることで知られるフランスの3都市(リヨン、ツールーズ、ストラスブール)の報告を初めて聞くことができたことが最も印象に残りました。具体的な報告では、ヨーロッパで最も意欲的なインターカルチュラル戦略を進めるバルセロナ市とカナダで唯一ICCネットワークに参加するモントリオール市による連携プロジェクトが特に興味深かったです。また、この一年間のセミナーで知り合った人たちと再会し、さらに多くの新たな出会いがあったことも大きな収穫でした。

インターカルチュラル・シティーズ・マイルストーン・イベントのウェブサイト
http://www.coe.int/t/dg4/cultureheritage/culture/Cities/Dublin/event_en.asp
インターカルチュラル・シティーズ・マイルストーン・イベントのビデオ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=oFxISoVfd5E