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コラム

一般社団法人SNSエキスパート協会 代表理事 後藤 真理恵

2021.01.27

SNSの種類、特徴と利用時の注意点(マナーとリスク)

 数年前から日本の人口は減少フェーズに入っているにもかかわらず、年々数字を伸ばしているのがSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数だ。2020年のコロナ禍の影響によりSNS利用者数がさらに増えただけでなく「1年前に比べて利用時間が伸びた」と答える利用者も多い。(※1)
 個人だけでなく、企業や団体によるSNS活用も増加傾向が続いている。平成30年通信利用動向調査 (※2)を見ても、ソーシャルメディアサービス(SNS、ブログなどの総称)を活用している企業の割合は年々増えていることがわかる。消費者の購買行動の多くがデジタル移行したことも追い風となり、企業によるSNSの活用シーンはますます多彩に、そして増加することだろう。本稿では、主要なSNSと特徴、利用時の注意点について解説したい。


主要なSNSと特徴

Twitter
 匿名で気軽なコミュニケーションが人気。1回の投稿における文字数制限(日本語・中国語・韓国語は140文字まで、それ以外は280文字まで)がある。他のSNSに比べて拡散性が強く、投稿が短時間で広まることもあるが、「炎上」も起きやすいため注意が必要である。投稿にはタイムリーさ、共感できる内容(面白い、すごい、感動した、等)を意識するとよいだろう。

・Instagram

 ユーザー数が急増しているSNS。ショッピング機能など新たな付加価値も続々と実装されている。24時間で消えるストーリーズ投稿には、スタンプやエフェクト、投票やクイズ機能などが用意され、フォロワーとのコミュニケーションツールとしても人気が高い。日本人は、ハッシュタグを用いた検索をおこなう傾向が他国の約5倍(※3)と高いため、投稿には適切かつ効果的なハッシュタグ付けが大切だ。

・Facebook

 実名登録・1人1アカウントがルールで、中高年層やビジネスパーソンの利用も多い。フォーマルな雰囲気を持つSNSであり、企業の投稿は文体も内容もくだけすぎないのがよいだろう。「有益」「有意義」「他のユーザーにも教えたい」と感じさせる内容が喜ばれる傾向がある。


SNSは公園のような場所

 企業がSNSを活用する際には、「SNSは公園のような場所である」と心得るのがよい。公園は誰もが自由に使える場だが、そこには明示されたルールや暗黙のマナーが存在する。たとえば、「犬を放し飼いにする」「深夜に打ち上げ花火を上げる」「園内で勝手に店を開いてモノを売る」などの行為は禁じられている。ルールやマナーを破れば、他の利用者から嫌われ、悪質とされた場合には公園の所有者から立ち入り禁止を言い渡される可能性がある。
 良くも悪くも、企業アカウントは目立つ存在だ。「SNSは本来、一般ユーザーがコミュニケーションをとるためのサービスであり、企業だけのものではない」ことを肝に銘じ、ルールやマナーをきちんと守りながら、企業活動にSNSを活用したいものだ。各SNSのルールは、都度最新の内容をインターネット検索して確認することを勧める。


SNSにひそむリスクやトラブル

 気を付けるべきリスクやトラブルの中でも、特に「炎上」は企業や従業員に及ぼすダメージが大きいため注意が必要だ。以下に炎上の「予防策」「早期発見・早期対応策」を解説する。

<予防策>

・チームでのSNS運用体制をとる

 SNS担当者がひとりで投稿案をつくりそのまま投稿するような体制は、炎上リスクが高いので避けたほうがよい。2名以上のチーム体制をとり、「誤字・脱字はないか」「固有名詞は正しいか」「炎上しやすいテーマや表現を含んでいないか」等を、投稿案作成者とは別のメンバーが事前チェックするルールがおすすめだ。

・社内向け「SNS利用ガイドライン」の共有

 従業員がSNSを使う際の心構えや注意点、トラブル時の緊急連絡先や対応方法などをまとめた「SNS利用ガイドライン」を作り、社内に共有するとよい。従業員一人ひとりの危機管理意識が高まるとともに、万が一炎上が発生した時には企業として適切かつスピーディーな対応がとれるだろう。

・社内向け「SNSリスク対策研修」などの実施

 ガイドラインの共有に加えて、よりいっそう全社的に浸透させるためにお勧めなのが「SNSリスク対策研修」の実施だ。講義の最後に理解度テストを用意すれば、研修中の集中力も高まるだろう。

<早期発見・早期対応策>

 炎上の早期発見にはモニタリング(監視)を活用するのが一般的だ。モニタリングとは、定期的にSNSや掲示板などの書き込みを検索し、炎上が発生していないかを確認する施策である。
 炎上の早期対応のためには、「トラブル発生時の緊急対応フロー」をあらかじめ社内で作成しておきたい。平時のうちに関係部署で協議しておくとよいだろう。

 本稿の内容は、企業だけでなく自治体でも生かせるはずだ。本稿を参考に、SNSを安全かつ有効にご活用いただけることを願ってやまない。


(※1)出典:ICT総研「2020年度SNS利用動向に関する調査」 https://ictr.co.jp/report/20200729.html
(※2)平成30年通信利用動向調査 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf
(※3)Facebook Japan主催のマーケター向けイベント「House of Instagram Japan 2020」で発表