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第19回2008.10.22

外国人集住都市会議

2008年10月15日に、東京都内で「外国人集住都市会議 東京2008」が開かれ、約500名の聴衆が集まりました。外国人集住都市会議は、昨年11月号でもご紹介したように、日系ブラジル人を中心とした外国人が多く住む都市の全国ネットワークです。

2001年5月に13都市が参加してスタートした同会議ですが、今回の会議には26都市の市長等が参加しました。会議は、三つの地域ブロック代表による提言の発表から始まりました。まず、群馬・静岡ブロック(太田市、大泉町、浜松市、富士市、磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、菊川市の9市町)を代表して、三上元湖西市長が「生活者としての外国人と地域コミュニティとの関わり」について提言を行いました。次に、長野・愛知ブロック(上田市、飯田市、豊橋市、岡崎市、豊田市、西尾市、小牧市、知立市の8市)を代表して、母袋創一上田市長が「地域における企業の外国人への支援及び自治体との連携」について提言を行いました。そして最後に岐阜・三重・滋賀ブロック(大垣市、美濃加茂市、可児市、津市、四日市市、鈴鹿市、伊賀市、長浜市、湖南市の9市)を代表して、川岸光男鈴鹿市長が「外国人の子どもの教育」について提言を行いました。

続いて、参加市長等と総務省、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省の担当審議官等による討論が行われました。前半は主に外国人の子どもの教育と大人の日本語教育について話し合い、後半は外国人の住民台帳制度と労働問題を中心に話し合いました。

そして、最後に、渡辺直由美濃加茂市長によって、「みのかも宣言」が発表されました。同宣言では、外国人政策を総合的に企画・立案し、関係省庁に対し強い主導力を発揮する組織の設置と、外国人住民に日本語習得の機会を保障することを国に対して求めました。

閉会挨拶で、2009年・2010年度の座長となる清水聖義太田市長から、議論の内容が当初から変わっていない、つまり問題が解決に至っていないが、次の二年間で外国人集住都市会議が必要なくなるぐらいに頑張りたいとの意欲的な発言がありました。

外国人集住都市会議は2010年で設立10周年となります。次の2年で参加都市は30に達しそうです。参加都市が増えることは、多文化共生社会を共に目指す都市が増えることを意味し、会議の発言力も増します。一方で、組織としての意思決定にこれまで以上の時間と労力がかかるようになるでしょう。省庁との討論会で首長一人ひとりの発言時間を確保するのも大変です。これまで、国の制度改革を後押しする大きな力を発揮した外国人集住都市会議ですが、さらなる成果を上げるために、そのあり方を見直す時期に来ているのかもしれません。