メールマガジン

ワンポイント英会話

JIAM教務部研修副主幹 ラッセル・ピケット

第10回2005.05.25

ワンポイント英会話~日本の街、地域等の英語での説明方法 第10回

前回は、英語の数の発音について、テニスをしていたときの出来事を交え、学びました。

■今回のワンポイント
言語学者は母語のことを「第1言語」、初めて習う外国語を「第2言語」など、と言います。英語では、これは「first language」と「second language」と言います。第2言語を勉強すると、第1言語の文法、表現、発音などについての考え方が、時々、学習の邪魔になります。世界中で外国語を学ぼうとする人々が必ず経験することです。このことは母語干渉「first language interference」と言います。
簡単な例ですが、白黒写真は英語で「black and white photograph」(黒白写真)と言います。「white and black photograph」が正しいと思う英語を勉強する日本人、それから「黒白写真」が正しいと思う日本語を勉強する英語話者が少なくないでしょう。
今回のワンポイント英会話は、このような母語干渉による、日本人がよく間違える英語のこととその正しい言い方を挙げてみます。
◇ Haven't you read today's paper? Yes, I haven't.
まず、否定疑問文に対する日本語と英語の違いを見てみましょう。
「今日の新聞は読んでいないか?」という質問に、新聞を読んでいない人は普通「はい」と答えますが、英語の場合、
◇ Haven't you read today's paper?
と聞かれたら、呼んでいない人は「no」,または「No I haven't.」と答えなければなりません。しかし、これを知らない日本人は「yes」、または「Yes, I haven't.」と答えます。
英語の否定疑問文は普通の疑問文と同じように思えば、間違いなく答えられます。つまり、「Haven't you read today's paper?」や「You haven't read today's paper?」を「Have you read today's paper?」と同じように思えば、正しく「Yes, I have.」か「No, I haven't.」と答えられるでしょう。
◇ Good morning, Mr. Jim.
外国語の勉強の中にはどうしても文化の勉強も必要です。例えば、その外国語が話されている国での人の名前や呼び方はとても大切です。英語と日本語での人の呼び方も、違いがあります。たとえば、日本語では「裕子さん」や「健二君」と名字だけではなく、名前にも「さん」をつけることができますが、英語の Mr., Mrs., Miss, Ms. などは普通、フルネーム、または名字の後にしかつけません。

■We won to their team.
英語は論理的な言語だとよく言われますが、非論理的なところも確かにあります。例えば、「メッツは、カッブスに負けたけど、レッヅに勝った」を英語で言えば、「The Mets lost to the Cubs, but beat the Reds.」になります。負けることは「lose to」ですが、勝つことは「win to」ではなく、「beat」という動詞で表現するのが普通です。 「win」を使う場合は、「Hanshin won.」や「They won against the Giants.」など言えますが、「They beat the Giants.」の方が、会話でよく使われています。
母語干渉は外国語学習者の誰もが時々起こす誤りですが、目的言語の本を読み、会話の機会をよくつかめば、母語干渉の件数が減るはずです。

■次回もお楽しみに! 頑張って!(R.P.)